本の感想を紹介します。3の続き
昨日につづいて、
Nさんからいただいた感想を紹介いたします。
「人に優しく」について、
くわしく書いてくださいました。
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心動かされる詩が多い中で、特に好きな詩を4篇選んだので、
それぞれについて書いていきます。
1:『感情』
留めてはおけない「気持ち」というものを、
とても適確に捉えていると思います。
年齢を重ねるほど心は硬くなってしまいますが、だからこそ、
小さな感動を大切にしたいと思いました。
2:『千羽鶴』
この詩が出来た経緯をイベントで聴いて、同感しました。
知らない人のために、ただ鶴を折ることの無意味さを感じます。
日々、当たり前のようにとっている三度の食事ですが、
元を返せば、三度おなかが減るからだということに気付かされ、
目からウロコが落ちる思いでした。
世の中には、理由を考えずに常識だから行っていることが、
探してみると、意外に沢山あるのかもしれません。
3:『チキュウには』
無機質な4文字の、カタカナの羅列が面白かったです。
暗号のような4文字が、
その全てに異なった意味を含んでいるということが、
考えてみると不思議に思います。
この地球上には、
様々な生物がひしめき合って生きていますが、
その中で「ニンゲン」が支配するようになったのは、
ほんの偶然のことで、
一歩間違えば、「カマキリ」だったかもしれません。
「ニンゲン」が、その役割を背負ったせいで、
一番の悪者になってしまったようです。
環境破壊を進める「ニンゲン」などいなくなった方が、
他の生物は快適に過ごせるのかもしれません。
そんな皮肉を、最後の4行に感じました。
殆どがカタカナの羅列で笑ってしまうほどなのに、
最後には、宇宙にまでスケールが及び、
環境問題についても考えさせられたのが意外でした。
個人的に、動植物が好きなせいか、
とても想像力が膨らむ詩でした。
4:『あした』
無邪気だった小さい頃を思い出しました。
過去は「きのう」までしかなく、
未来は「あした」しかなかった頃、
毎日が新鮮で、
過去を振り返ることもありませんでした。
「あした」は、初めてのことで一杯で、
何が起こるのかワクワクしていました。
でも、大人になった今では、
今日と同じような日が続くと思っていて、
「あした」に魅力を感じなくなりました。
それは、安心感でもありますが、少し寂しい気がします。
“あしたはまほうみたいだね”
そんな、小さい頃に感じた純粋な気持ちを、大切にしたいです。
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4編についての感想でした。
とくに「あした」についての考察は、
まるでNさんが隣で読んでいるみたいに、
読み手の心が立体的に伝わるようで
評としても、
とってもすてきな文章でしたね。
Nさん、あらためてありがとうございます!
さて、3人の方の感想を紹介いたしましたが、
詩集「人に優しく」か写真詩集「生きる」が
お手元にあるかたは、
ぜひ感想を読んだあとに、詩集を広げてみてください。
自分なりの再発見があるのではないでしょうか。
一冊の詩集は、詩人と読者をつなげて、
そして同時に、同じ詩の世界に遊ぶ読者同士を、
つなげている。
時間や場所はバラバラでも、
同じ言葉に心を動かす人がいるんです。
なんちゃって、ちょっと感傷的ですかね。
でも、そんなふうにアンテナをはると、
本を読む体験がなんとも不思議なものになります。
とくに詩集を読んでいると、
ついそんなことを考えます。
みなさんはいかがでしょうか。