御徒町凧 朗読会
『人に優しく』の著者で、
詩人の御徒町凧さんの朗読会に、
行ってきました。
朗読会についてご説明しますと、
去年の秋の終わりから、毎月、
代官山のライブハウス、
やっているんですね。
出演者は御徒町さんただ一人。
詩を読む。
という、いさぎよい会です。
お客さんはいつも満席で、
毎回、告知即完売となる、
人気の会でもあります。
それで、ここからは、今日、
会に出ていた方だけにしか、
わからないくだりなのですが、書きます。
会の途中、舞台から、ナナロク社にも関わることを
御徒町さんが話していたときに、
もちろん会場にいたんですが、
言おうかな、どうしようかなと思いつつも、
ちょっと遠慮して黙していました。
理由は、ふたつぐらいです。
1:御徒町さんにもまだ言ってない。
2:とにかく詩がよくて、場の力も醸成されていて、
御徒町さんの声以外の声(しかも僕なんかの)を
舞台に返すのは、場の力が抜けるようで、
いささか気がひけるなあ、それはいやだなあと、
そう思っていたんです。あと、声だすの恥ずかしいし。
それでまあ、
「銀河鉄道の夜」のジョバンニよろしく
黙して下をむいていました。
ずいぶん腹のたるんだジョバンニだなあと、
オリオンビールを飲みながら、
脳内自分つっこみしているうちに
若き詩人が次の詩を読み始めたんで、
おお、はじまったと思って、
その詩の最後の言葉を聴いてびっくりしました。
その単語がぴったし、
思い描いていた日にまつわるものだったんです。
さすがに、すげぇ、と思いました。
詩人、すげぇなと。
お見通しかよと。
あと、さっき言っときゃよかったなとも、
思いました。
おおーって、会場で言ってもらえそうだったし。
でも、言わなくてよかったです。たぶん。
ちなみに、(ちなみに?)、
今回の朗読会では、「階段」にぎゅんときました。
出だしの描写と最後の着地がたまらない、短編映画のようでした。
すばらしい。
「斬鉄剣」も、もちろん好きです。
ただ、たしか、無駄なもの、じゃなくて、つまらぬもの、
だったようようなと。
しかしそこは、詩人による詩的跳躍が働いたのだと、
解釈した、
4月18日の日曜の昼でした。
ステキな朗読会、いつもありがとうございます。