水木先生の言葉を思い出す。

昨日のノリスケ氏ではありませんが、
編集者として心残りがあるとすれば、
すでに鬼籍に入られた諸先生方にお会いできないという
ことでしょうか。


中でも会いたかった度1位は、やはり手塚治虫先生です。


編集者として生まれたからには、
「先生、原稿まだですか!」
みたいなことは、一度はいってみたかったです。


「おい、うちが先だぞ!」と他誌の編集者とあらそったり、
「藤子くんすまないが2日ほど先生の手伝いを頼む」と、
締切前の先生の手伝いのために若手の漫画家を拉致したりと、
イメージの中の編集者像を堪能したいとこです。


などと、書いているうちに思い出しました。
もう3年も前になりますが、
お仕事で水木しげる先生のもとにいったとき、
なんの話からか、水木先生が、だいたいこんなことを言っていました。


「よく寝るのが大事だよ。寝なきゃだめだ。
 手塚さんを、なんでまわりは寝させなかったのかな。
 寝ないのがいちばんよくないんだ」


手塚先生は、ご自分の意思で、若いころから寝る時間もないほど働き続けてきました。
それが、生き様でもあり、ある種の快楽もあったのだろうと思います。
まわりの方も、健康面には注意して、休んでもらうように言っていたはずです。
もちろん、同業者として、そういったことも理解された上での、
僕は単純でいて深い言葉だなと思いました。


ゲゲゲの女房で、もう何度目かの水木ブームですが、
その秘訣は、「寝る」ことにあるのかもしれませんね。
たまたまこれを読んだみなさんも、水木先生との約束だと思って、
しっかり寝るのをこころがけていこうじゃないですか。


「もうこんな時間か。水木先生と約束もあるし、もう寝いるとするか。」


みたいな感じでいいと思います。