本屋さんからの熱いメッセージです。


「ぼくはこうやって詩を書いてきた-谷川俊太郎、詩と人生を語る。」

全国の本を愛する書店員さん10人にお願いして、本書の感想をいただきました。
本のプロから届いた、谷川さんLOVEに溢れたメッセージです!


* * * * * * * * * * * * * * * *

「うんうんうなづきながら、するする読めます」
ブックファースト渋谷文化村通り店 
リーダー 吉川奈央 さん


たっぷり ずっしり 谷川さんの人生、生き方、そして作品がつまっています。
たっぷり ずっしりではありますが、気心しれたお二人の対談だから、
心にすぅーと入ってきて、「うんうん」うなづきながら、するする読めます。


* * * * * * * * * * * * * * * *


「谷川さんの書くものと同じじゃん」
リブロ池袋本店 書籍館
マネージャー 辻山良雄 さん


個人的にぶ厚い本が好きで、この736ページもある本は、
そういう意味でも大好きなのですが、どの頁をぱらぱら見ても
色んな驚きや発見があるなーって思いました。
でもそれって、谷川さんの書くものと同じじゃん、とも気がつきました。


* * * * * * * * * * * * * * * *


「ぼくはこうやって呼吸をしてきた」
TSUTAYA 代官山プロジェクト 
書籍担当 薬師寺紋子 さん


谷川俊太郎の詩は、それ自身の運命を生き、人々と出会う。
「やぁこんにちは」
「やぁどうも」
彼等の右手はひんやりとしていて、
私達のおでこに手をあてて、火照った脳を冷ましてくれる。
彼等の左手は熱っぽくて、
私達の凍えた肩を抱き寄せて温めてくれる。
彼等は透き通った目をしていて、
私達は彼等と見つめ合うことで自分を見つめることになる。
まるで宇宙から生まれて宇宙へ戻っていくかのようなことば。
まるでもともと皆のものであったかのようなことば。
体の輪郭が曖昧になって宇宙に溶け込み0(ゼロ)になってゆくのを感じる。
このエネルギーはなんだろう?
『ぼくはこうやって詩を書いてきた』という本書の書名を見た時に、
それは私の頭の中では『ぼくはこうやって呼吸をしてきた』と自動翻訳された。
それくらい、
谷川俊太郎にとって詩を書くことは自然なことなのだろうと私は思っていた。
本書を読むまでは。
本書を読んで知ったこと。
谷川俊太郎は無名の生活者だ。
父がいて、母がいて、何不自由なく育てられた一人っ子で、
模型飛行機に夢中になっていた男の子で、友人がいて、
恋をして、3回結婚3回離婚して、息子がいて、娘がいて、
息子で、恋人で、夫で、父で、そして一人の無名の生活者。
「自分は何者か」という問いは
「自分は他者を愛し得る存在か」という問いに似ている。
「生きるとは」という問いは
「どこから来てどこへ行くのか」という問いに似ている。
それらの問いに、私達は言葉で立ち向かう。
言葉にしないと、真空に放たれて窒息死してしまいそうになるから。
でも、言葉で分けられないものの前に、私達は絶望し、時に心揺さぶられる。
生きている中で生まれるこのよろめきを、谷川俊太郎はことばにしてくれる。
私達は、今夜も穏やかに眠りに就くことができる。
本人が「親友」と認める編集者 山田馨との対談がまとめられた本書には、
谷川俊太郎が「どうやって詩を書いてきた」か、
即ち「どうやって生きてきたか」が余すところなく記されている。
真っ白な装丁は、正に谷川俊太郎の詩そのものだ。
睡魔が襲ってきた時には枕にしてみるのもよいだろう。


* * * * * * * * * * * * * * * *


「あっという間に読ませてしまう。そのへんの小説よりよっぽどおもしろい」
教文館ナルニア国 
原幸子 さん 


とにかくいろんな意味で「スゴイ!」本だった。
まず、700ページ以上もあるのにあっという間に読ませてしまう。
そのへんの小説よりよっぽどおもしろい。
未発表詩が2篇(!)も収録されている。それがまた“詩人・谷川俊太郎”の誕生を予感させる、鳥肌モノ。
谷川さんは詩壇では認められていない云々という件が何度か出てくるが、
世の中的に詩人として今の日本で一番有名な人だと思う。
小学生から老人まで知っている。こんな詩人、他にはそういない。
その谷川さんの詩が生まれてくる背景や、人生をセキララに語っている姿が潔く、
清々しくさえ感じられた。それが刺激的でおもしろい。
また、ナビ役の山田さんが素晴らしい。読者代表として、谷川さんの信頼する友人として、
谷川さんの詩の世界を咀嚼してくれている。
普通の読者である私たちは、そのおかげで谷川さんの詩をさらに深く味わえるのだ。
そして内容もさることながら、本の体裁にも惚れ惚れした。
注釈が多いのだが、この割付がウルサくならず、読みやすかった。
もう一度、詩を読み返したくなったし、谷川俊太郎…この詩人のこれからの活動も楽しみである。


* * * * * * * * * * * * * * * *


「すごい本です」
ブックスルーエ 文庫・新書・文芸書担当 
花本武 さん


すごい本です。


* * * * * * * * * * * * * * * *


「詩人も普通の人間だったのだなということがわかりました」
ジュンク堂書店池袋本店 文芸書担当 
山本千秋 さん


仕事柄、多くの詩集を手に取ってきましたし、ときには詩人の方とお会いすることもありますが、いつも感じるのは、「詩人という人は、ひょっとして仙人なのではないか」ということでした。「かすみを食べて生きているのではなかろうか」という疑問がどうしてもふり払うことができません。
しかし、この本を読んで、少なくとも、谷川俊太郎さんという日本で唯一といっていい職業詩人の方は、仙人ではなく、むしろことばを扱う職人だったらしいと思いはじめました。
10代から70代まで詩作の歩みを全ての詩を知りつくした山田さんという聞き手を得て、生き方とともに振り返った時、あたり前のことですが、詩人も普通の人間だったのだなということがわかりました。
ただ、谷川さんは、詩人という職業と、人間として生きることに誠実に向き合ってこられたから、その詩は常に変化しつづけ、詩の第一線で活躍されつづけることができていらっしゃるのかもしれません。
谷川さんのそのときそのときの顔と詩、まわりの出来事をながめていると、谷川さんの人生の一場面とともに、時代の風景とそれを超えた普遍的な人生の味わいを感じました。
でも、やっぱり谷川さんの本質は「仙人」です。やはり詩人の本質は「仙人」なのですね。
年を取られて、こどもに戻っていく最後の方を読んでそう感じました。
瞬間を生きられる谷川さんから、このような年代記風のものを引き出されたのは、なんといっても聞き手である山田さんのお力だと思います。


* * * * * * * * * * * * * * * *


「作品の魅力がきりりと浮かび上がる名著です」
オリオン書房立川ノルテ店 文芸書担当 
辻内千織 さん


多くの人の心に鮮烈な突風を巻き起こしてきたであろう名詩「二十億光年の孤独」。
それを「もっともらしいですよねー(笑)」と評するおじさまがここにふたりもいます。
谷川俊太郎の伸びやかな個性と、その作品の魅力がきりりと浮かび上がる名著です。


* * * * * * * * * * * * * * * *


「谷川さんの底力が響いてくる」
ジュンク堂書店京都店 児童書担当
高木須惠子 さん 


谷川さんの5年生の時の詩『模型飛行機』から始まって、現在に至るまでを語る。聞き手は、岩波書店で編集をなさっていた山田さん。今は退職しているとの事。詩人になりたかったけど、谷川さんを超えられないと、出版社に勤めだしたとか。谷川さんの詩を詠んでは、作品の根を聞き出してくれる。谷川さんも、率直に答えている。意識しない言葉が、練り上げられて詩を作り上げていく描写も浮かんでくる。 父への反抗も、母への思いも、つき合った女性も、語ってるこの分厚い4?、735頁の対談集。
 谷川さんは語る。―今が幸せ。自由だと。―
 短い詩を書きたい、長い詩を書きたい、いろいろな思いにご自身を乗せていけるのには、プロの言葉を操る詩人。音楽が好きで、物作りが好きで、自然が好きで、日常を詠む谷川さんならではの表現が始まるのはこんなところから。
 饒舌なまでに、どんどん詩が語られ、谷川さんの底力が響いてくる。
『20億光年の孤独』の逸話から始まり、青年から現在までの目の位置までも、語って貰い、谷川流ポエムが生まれる。日本語にこだわり、言葉にこだわり、詩は語られる事を望む谷川さんの意思が、細部に語られる。


* * * * * * * * * * * * * * * *

「うなずく。笑う。ハッとする。論じる。脱線する。感心する」
リブロ松戸店 文芸書担当 
小国貴司 さん


うなずく。笑う。ハッとする。論じる。脱線する。感心する。
詩を読む歓びとともに、詩人と編集者の会話の楽しさが、これでもかというくらい詰まっています。


* * * * * * * * * * * * * * * *


「読者代表として、心より感謝申し上げます」
海文堂書店 
田中智美 さん


ナナロク社さん、すごい本、作られましたね!感激いたしました。
読者代表として、心より感謝申し上げます。本好きな知人も、「今年のベストに入る!」と申しておりました。


* * * * * * * * * * * * * * * *


以上、10人の「書店人」からの熱いメッセージでした!
ありがとうござしました!!